MT5用EA TC-ZoneRecovery
前回はこのEAを使用するにあたり2つのヘッジ取引を理解する必要がありゾーンリカバリーについて述べてきました。
今回はナンピンについてになります。
2つのヘッジ取引とは?
- ゾーンリカバリー(Zone Recovery)
- ナンピン (Averaging Down)
ナンピンとは?
ナンピンとは、保持しているポジションの価格が逆のほうに進んだ場合に、さらに同じ方向のポジションを追加して平均価格を下げるヘッジ取引になります。
ポジションの平均価格を引き下げることにより、プラスマイナスゼロか利益をもたらす可能性のある価格に引き下げられます。
ナンピンにより負けトレードを勝ちトレードする可能性があります。
下の図イメージ図になります。
相場は常に上下しているので、買いポジションを持っていて一時下落してもナンピンをすることにより価格が上昇した場合にはそのポジションをリカバリーできます。ただし、引き続き下落した場合には大きな損失を被る可能性があります。
急激な上昇トレンドの際に売りポジションのナンピンを持つこと、急激な下降トレンドの際に買いポジションを持つことは自殺行為といえるでしょう。
ナンピンは有効なヘッジ取引でしょうか?
ナンピンの悪い点:
1.急激な上昇トレンドや急激な下降トレンドに弱い
2.お金があれば無限ナンピンすることにより100%負けないシステムといえますが現実的ではありません。
3.急激な上昇トレンドまたは急激な下降トレンドの際にポジションを増やすことになる
4.同じように大量のロットを保持することとなりたった1回のトレードで破綻する可能性がある
5.リカバリーまで時間が掛かる可能性があり機会損失になる
6.どこでナンピンしたらいいのか相場状況やチャートの見る経験が必要
巷では資金が右肩上がりのナンピンするEAが溢れていますが、ナンピン数を制限していて、ロット管理をしているEAを使用することをお勧めします。
ナンピン数を制限していないEAは無限ナンピンを繰り返し、いつかたとえ大量の資金があったとしても
たった1回のトレードで口座が破綻する危険性をはらんでいます。
基本的にEAは過去の特定の通貨データをもとにして例えば最高でも10回ぐらいナンピンすれば
右肩上がりの結果をだすことができるのでその設定をしている可能性があります。
それ以上は想定外でその相場になってしまうと口座が破綻する可能性があります。
ロット数のほうも重要でナンピンするごとにロット数を単純2倍にしているEAは破綻する確率が
高いと思われます。
大きくてもロット数は1.5倍までにしていたほうがいいのではないかと考えています。
悪い点が多いナンピンですが対処法はどうでしょうか?
ナンピンの悪い点の対処法:
1の対応法急激な上昇トレンドや急激な下降トレンド時にはナンピンしない。これだけです。
素直に負けを認めてポジションをクローズしましょう。
2の対応法適切な資金管理をすることのより損失を制限することが考えられます。
3の対応法ポジション数をある程度制限することによりリカバリー率と損失を制御することが考えられます。
4の対応法こちらもある程度ポジション数とロット数を制限することにより最悪の場合でも損益を
制限できると考えております。
5の対応法こちらは上記と同じになります。
6の対応法こちらはゾーンリカバリーでも書きましたが1つのアイディアとしてATRインディケータを使用して1日のボラリティーから求めることができます。
例えばある通貨の14日間での平均のボラリティーが200PIPSとすると、100PIPSまでいくととりあえず反転するとか、さすがに200PIPS行くと反転するとかは指標やニュースにより相場が荒れているとき以外は一旦は反転することは考えられます。
チャートに関してはある程度見れるようになるには経験が必要になると考えております。
チャートがある程度見れるようになればナンピンは戦略的なヘッジ取引になるでしょう。市場を分析して価格が上昇始める可能性があることが分かった場合に管理ルールにしたがってトレードすれば例え一時下げたとしてもナンピンは非常に有効に機能するヘッジ取引といえるでしょう。
ナンピンのメリット:
■ほぼ100%負けないヘッジ取引(お金があれば)
■レンジ相場に強い
■チャートが見れるようになれば戦略的なヘッジ取引
ナンピンのデメリット:
■強いトレンド相場に弱い
■多数のポジションを持つ可能性がある
■回復するまで多くのロット数が必要になる可能性がある
■回復するまで時間が掛かる可能性がある
■大きな損失を被る可能性がある