MT5用EA TC-ZoneRecovery その3 負けないトレードは実現できるのか?

MT5用EA TC-ZoneRecovery

前回はこのEAを使用するにあたり2つのヘッジ取引を理解する必要がありナンピンについて述べてきました。

今回は今まで述べたゾーンリカバリーとナンピンの2つの ヘッジ取引を有効に使用する方法を述べます。

ゾーンリカバリーのデメリット
■レンジ相場には弱い

ナンピンのデメリット
■強いトレンド相場

なので結論を最初に言ってしまえば、レンジ相場ではナンピンをトレンド相場ではゾーンリカバリーを使用すれば
良いのではないかと推測できます。
相場の6割から7割はレンジ相場と言われているので基本的にはナンピンが有効であり、急激な上昇や下降トレンド
になればゾーンリカバリーを使用すれば戦略的により高い確率でリカバリーできるのではないかと考えられます。

※前提条件としてこのEAではヘッジ取引は利益を生むものではなくあくまでポジションをリカバリーするもの
になります。

どのように相場を判断すればいいのでしょうか?

一般的に相場の強さを図る人気のあるインジケータとしてはADXになります。
ADX(Average Directional Movement Index)でADXラインで通貨にもよりますが35を超えるとトレンドが強い状態を表しておりADXが 35を下回りはじめるとトレンドが勢いを失っていることを示します。
またADXラインが20未満の場合には非常に弱いトレンドの状況だと示しています。

ADX Pic1

なのでADXラインが35以上でADXラインがまだ上昇傾向であればゾーンリカバリーを使用する、
ADXラインが35以下または35以上であったとしてもADXラインが下降に転じているのであればナンピン
を使用すると考えられます。

ナンピンで始めたリカバリーがいきなり相場が強くなり勢いが出てきた場合はどうでしょうか?
その場合、ナンピンからゾーンリカバリーに変更することによりより高い確率でリカバリーが可能になります。

ただし、いったん始めたゾーンリカバリーからナンピンへの変更は、ゾーンリカバリーは買いと売りのポジションを持つことから難しくなります。

最終的には裁量でチャートを見てダウ理論ではどうなのか、エリオット波動では今何波なのかどうかを総合的にみての判断になるとか思います。

次に各取引の以下のデメリットに注目します。

ゾーンリカバリーのデメリット
■多数のポジションを持つ可能性がある
■回復するまで多くのロット数が必要になる可能性がある
■回復するまで時間が掛かる可能性がある

ナンピンのデメリット
■多数のポジションを持つ可能性がある
■回復するまで多くのロット数が必要になる可能性がある
■回復するまで時間が掛かる可能性がある

ナンピンで始めた場合どのくらいのロット数が必要になるか見てみましょう。
現実的に0.1ロットから始めましょう。ロット係数が1.5とします。

次のナンピンで0.1x1.5なので0.15,
次は0.23、次は0.34、次は0.51

LOTS Total Lots
0.10
0.15 0.25 ナンピン1回目
0.23 0.48
0.34 0.81
0.51 1.32
0.76 2.08
1.14 3.22
1.71 4.93
2.56 7.49
3.84 11.33
5.77 17.10 ナンピン10回目

何回目のナンピンまで許容できますか?

試しにロット係数がでみてみましょう。
LOTS Total Lots
0.10
0.20 0.30 ナンピン1回目
0.40 0.70
0.80 1.50
1.60 3.10
3.20 6.30
6.40 12.70
12.80 25.50
25.60 51.10 ナンピン9回目で最大取引数量を超えてしまいます。
51.20 102.30 ナンピン10回目
口座が破綻する理由はよくわかりますね。

ロット係数が1.2でみてみましょう。
LOTS Total Lots
0.10
0.12 0.22
0.14 0.36
0.17 0.54
0.21 0.74
0.25 0.99 ナンピン5回目
0.30 1.29
0.36 1.65
0.43 2.08
0.52 2.60
0.62 3.22

0.1ロットでエントリしたポジションでは個人的な考えですが5回ぐらいの1ロットまでの許容ではないでしょうか。

ゾーンリカバリーの必要なロット数を見てみましょう。
ゾーンの幅:50pips TP:100pips,リカバリー時のTP:10、初期ロットは0.1とします。
Trade LOTS Total Lots
Buy 0.10
Sell 0.16 0.26
Buy 0.15 0.41
Sell 0.23 0.64
Buy 0.34 0.97
Sell 0.51 1.48 ゾーンリカバリー5往復目
Buy 0.76 2.24
Sell 1.14 3.38
Buy 1.71 5.09
Sell 2.56 7.65
Buy 3.84 11.49 ゾーンリカバリー10往復目

10回も上下に往復することはまれだとおもいますが、ロット数の観点からは現実的な許容範囲としては4回か5回ぐらいではないでしょうか。

ナンピンで始めたヘッジ取引をさらにゾーンリカバリー始めた場合にはロット数が必要になるのが理解できると思います。

なのである指標としてはナンピンは最大で5回まで、ゾーンリカバリーも4回までとしています。
ナンピンからゾーンリカバリーに切り替えるとしてもナンピン3回目まで
でゾーンリカバリーに切り替えることで使用するロット数を抑えるようにしています。

ポジション数とロット数、およびリカバリー時開始のタイミング(ゾーンの幅)の管理することより、ほぼ負けないトレードを実現できるのではないかと考えています。

2つのヘッジ取引と複利運用

非常に高い勝率なら複利運用すれば資金が劇的に増えると思うでしょう。ナンピンするにもゾーンリカバリーするにもリカバリーするためにロット数が必要になります。
複利運用すると初期ロットもあがりますのでそれに伴い、リカバリー時のロットも当然上がります。そのため、より複利でロットが上がるごとに破綻する可能性も上がってきます。
なのでヘッジ取引をする際には固定ロットで運用することがいいのではないかと思われます。
複利運用するのであれば、ヘッジ取引しない、ナンピンしないで運用することにより
初期ロットのみロット数が増え損失が限定的になります。

 

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